「メタルマクベス」はすげかったっす！
新感線☆ＲＳの「メタルマクベス」見ました。
今までクドカンモノって、イマイチ苦手だったんですよ。
ってほど実は見てないんですけど。「鈍獣」は役者の掛け合いとかは面白かったけど、やっぱり終始漂う退廃的な暗さと、エンディングの不条理さが苦手だったし、「カフェマンハッタン」もいきなり何ですか！？っと思ってしまう展開についていけなかったし。
んで、これも悩んだんですけどね〜。
でも、いのうえ歌舞伎好きだし、教授*1主役だし、と、見てみたら、すっげー当たり。
クドカン独特のゆるさとか不条理（というかわけ分からなさ）が、いのうえ演出によってある程度抑えられて、あぁ、コレくらいなら大丈夫、つーか、これくらいなら好きですよ、私。って感じになっていて、すげー面白かったっす。
6時開演、9時40分終演、という約3時間半モノでしたが*2、全然長くなかったです。普通なら芝居２本分なのにね。すっげー不思議。
コレを機に、クドカンモノ、借りてみてみようかな（と思って、昼ドラ見始めましたｗ）。
教授*3がすっげー格好良かったです。
今まで私が見た教授は、「女が絡むとかっこいい」だったのですが*4、今日は全編通じて格好よかったです！（その言い方もどうなんだｗ）
友とじゃれあってるシーンも素敵だし、王に臣下の礼してる姿も素敵だったし、奥さんと馬鹿っぷるしてるのも素敵だったし、ノイローゼでおかしくなった姿も素敵だった。
声とか仕草とかしゃべり方とか、もう全部ひっくるめて存在すべてがかっこよかった。落ちぶれた姿も素敵に見えるって、すごいと思うですよ。単に「恋は盲目モード」なだけかもしれませんがｗ。
勇敢な立ち回り姿も良かったけど、一番心に残ったのが、後半、自分もおかしくなりかけてるのに、おかしくなった奥さんの肩を抱いてキャラメルを食べさせてあげるシーン*5。
「私達に必要なのは睡眠だけだ」って肩を抱いた手も、肩を抱いたまま後方に歩き出したその背中も、切なすぎて心打たれました。
やっぱり役者さんですね。ただ立っていても素敵な存在感なのに、演技してると目が奪われる。
やっぱり教授、すげぇよ。
すげぇといえば、松たか子もすげかった。
今まで人気先行の女優さんだと思っていたのですが、「有頂天ホテル」でちょっと見直し、この舞台で、完全に見方を変えました。つーか、今までそんな事思っててすまんかった。って気分。
うわ〜。ここまでやるか！ っていうのの目白押し。
旦那との馬鹿っぷるっぷりも、旦那の尻たたきっぷりも、小気味良くて見てて気持ちが良かったのに、後半、小物っぷりを表す辺りで本当に小さく見えるんですよ。本当に可哀想に・・・って思う。旦那教授の包むような優しさとの相乗効果もあると思いますが。
後半で旦那に謝るシーンなんて、本当に可憐で可哀想で・・・。その設定からいって、普段だったら絶対「自業自得」としか思わないだろう私が、「可哀想・・・」って同情しちゃいましたもん。すげーよ、松たか子の演技力。
やっぱりひっぱりだこになるだけはあるわぁ・・・
他の役者さんもすごかったなぁ。
豪胆で暖かくて大きい国王、上條恒彦さんの歌声はスケールでかくて良かったし*6、
最後まで自分の幸せをちゃんと見ていた親友、橋本じゅんは、一度もうざくもくどくもなることなく格好良かったし（←失礼）、
お茶目な演技がいけるよね〜、って思っていた王子、森山未來はタップがすごくてびっくりしちゃったし、
最後まで報告に命かけてた冠くんの歌声にはしびれたし、
あー、でも、大好きな高田聖子さんが、あまり出てこなかったのがかなり残念かも。
まぁ、女性があまり出てこない芝居なので仕方ないんですが。
でも、どうせだったら魔女役の方がいいや〜。ってちょっと思いました。だってそっちの方が出番多いしｗ。
オープニングの曲が演奏された時点で、「あ、これ好きかも」って思ったんですよ。一瞬で心奪われたってゆーんですか？
そんなのは、「エリザベート」以来２回目で。
だから私はミュージカル、好きなのかもしれないです。
曲がどれも良かったので、思わずＣＤ買っちゃいました。
・・・・・・・あ、ひょっとして、単なるメタル好きなだけ？ でも私、メタルとハードロックとパンクの違いがよく分かりませんｗ。
改めて家に帰ってＣＤ聴いてみると、やっぱり迫力が違うので、ちょっとしょんぼり。そら毎日歌ってるんだから、今舞台で聴く方がいいに決まってるやね。なんとなく教授の声とか違く聞こえるし。松たか子の歌声は妙に可愛く聞こえるし。
一番悲しかったのが、高田聖子さんの「未亡人哀歌」が入ってなかった事。
まぁ、メタルマクベス*7の曲じゃないんで、仕方ないんですが。
そのうちライブ版ＣＤ出してくれないかな〜。ＤＶＤのおまけでもいいから。
あー、あんまり良かったので、ＤＶＤ買う予定ですｗ
