「愛、時をこえて 〜関ヶ原異聞〜」見ました
絶大なる権力者、太閤豊臣秀吉がこの世を去った。
絢爛たる安土桃山の御世も、次代を窺う権力者達によって激動の時代を迎えていた。
そんな折――難破した南蛮船から、楔が突き立てられた忌まわしき棺がこの国にたどり着いた。
その棺こそ、かつて西洋の国を震撼させた吸血鬼ドラキュラが封印されしもの。
「この封印を解き我を復活させし者。汝の夢を叶えん……」
ドラキュラの怨念が篭るその棺の封印を解いたのは――
秀吉の意志を継ぎ、この国を世界の全ての富が集まる夢の国にせんと企む石田三成であった。
復活したドラキュラは、政敵・徳川家康との戦いに三成が勝利すべく暗躍し、
昼間は謎の芸人・出雲お国と姿を変え、その邪悪な妖気をふりまく……。
しかし、ドラキュラは自分の妖気を萎えさせる純白の祈りに心が揺らぐ。
その祈りの主は薄幸の美聖女・細川ガラシャであった。
天下分け目の関ヶ原の戦いは今しも始まろうとしていた――。
ちょっと読んだだけでトンデモ臭がしませんか?(笑)
てか、トンデモ臭を感じたので北千住まで見にいったのですが、えーっと、
割とかなり期待外れでした
まぁ、ストーリーはこの通りな内容だったのですが・・・
なんだろう・・・メインは宝塚の人(貴城けい*1、華城 季帆)、脇を固めるのが歌舞伎の人(市川段治郎、市川 笑也他)で・・・なんつーか・・・
宝塚と歌舞伎の融合を狙ったのかもしれないけど、そりゃ無茶だよ。ジャンルが全然違うじゃん。
って感じ?(苦笑)
お目当てだった吉野圭吾さんもあんまり見せ場なかったしなぁ・・・。
しょぼんとした気持のまま、ダッシュで秋葉原有隣堂に駆け込んだのにお目当ての本が売り切れてたから、更に気分はブルー。
なんだかなぁ・・・(ノ_・。)
スタートは戦国時代。
いや、ずっと戦国時代なんですが(笑)。
太閤秀吉がなくなり朝鮮から武将が撤退してきた博多が舞台。
この辺は歌舞伎の人とか、実力派の俳優さんとかががっちりと時代劇を見せてます。
つっても、バサラ集団「蝙蝠組」の皆さん*2がどっかの難破船からかっぱらってきた(笑)舶来品を売ってるシーンなので気楽に見れました。
そこに現れたみっちゃん*3が、「俺達は夢を売るんだ!」という「蝙蝠組」の頭鬼丸*4の言葉に感銘を受けて、胡散臭い西洋の棺を買っていきます。
んで、お約束どおり棺に刺さっていた十字架を抜いて封印を解き、ドラキュラ様*5が登場されるのですが、
すごいと思った。宝塚。
だって、周り歌舞伎なのに、いきなり「軽くウェーブした銀色長髪でマント付けた黒スーツの美形」が現れた途端空気が変わるんだもん(笑)
いやー、宝塚、すごいねー。
まぁ、宝塚のお約束どおり、登場シーンは会場から拍手でお出迎え、ってのがあったからかもしれないけど、なんかあの辺でなじめないナニカを感じました。違和感、とでも言うべきか。
その後も、ドラキュラ様がいなければ普通の*6戦国話なのに、ドラキュラ様が出た瞬間から異世界(笑)
私が期待していたのは、ドラキュラ様vsガラシャの宗教大決戦だったのに(笑)、大阪の町で出合った二人はデュエットしちゃうし。
まぁ、家に帰ってきてコレを書くために公式サイトを見てみたら、一番上に表示されていた文章が
決して結ばれるはずのないドラキュラとガラシャ……
だったから、仕方がないことなんだけどさ・・・だったらチラシにそう書いとけ。
最後、家康を殺すのを中断してまでガラシャを助けに行ったのに結局死なせてしまってそのままあっさり眠りに付いちゃうんですけどね。つーか、ガラシャに執着して殺そうとしてたんだから、助けに行かなくてもいいじゃん。そのまま魔界で待ち合わせでもすればいいのに。
大体ドラキュラ様に他人の願いを叶えるなんてオプションは付いてないと思います。
なんて意見、宝塚の夢舞台にはナンセンスよねー。
分かってはいるんだけど、だったらもっと宝塚っぽくきらびやかにして欲しかったかなぁ。
宝塚と歌舞伎のコラボレーション。
って感じの舞台で、吉野圭吾の立ち位置は宝塚寄りだろうと予想していたのですが、私の期待に反して歌舞伎寄りでした。音楽劇なのに、彼自体は踊らないし歌わない。つーか、踊りはなかったか。ドラキュラ様とガラシャさんが歌ってただけで。あ、シスターも歌ってたな。って・・・あー、吉野圭吾もちょっと歌ってたかも。かすかにそんな記憶が・・・って、かすかってところが悲しい・・・(しくり)
高山右近という、ドラキュラを撃退する役だったので、出番はそれなりにあったんだけどねー。イマイチぱっとしない。見せ場がない。
ドラキュラに魅入られた女中を退治する際に二刀流の刀を十字架風にクロスさせて悪霊退散させたあたりはちょっと笑いましたが。つーか、いいな、あれ。マンガとかで有りそうだけど、実際に舞台で見ると妙に新鮮でしたw
そんな中で私の希望の光だったのは、みっちゃん。石田三成役の市川段治郎さん。
かっこよかったですねぇ。
舞うシーンがあるのですが*7、さすがな動きで見とれました。やっぱり本職は違うねー。芝居が進むうちに段々イっちゃう感じも良かったし。
最後、ドラキュラがあっさり裏切って眠りに付いた後、「一人でも勝ってみせる!」*8と宣言したあたりは、めっさかっこ良かったです。
カーテンコールでは本気で拍手しましたねw
つっても。
まぁ、私にとっては外れは外れなわけで。
やっぱり、チラシで芝居を選ぶのって難しいなぁ・・・