「さらば、わが愛 覇王別姫」見ました
レスリー・チャンの映画ではなく、今シアターコクーンで上映中の、東山紀之さん主演の舞台版です。
中国モノ+蜷川幸雄ということで割とビクビクしてたのですが、数日前に見た読売新聞の社評でかなりぼろくそ書かれていたのを読んでいたからか、すんなり楽しめました。
なんだ、思ってたほどつまらなくないじゃん
と(笑)
てか、途中1回とラストで1回、合計2回涙ぐんでしまったので、その事を考えると私の中では結構面白かったのかもしれませんね。まぁ、最近年のせいか涙腺が弱くなっているので判断材料になるかは微妙ですがw
舞台は文化大革命前夜の北京。京劇俳優養成所で女形として修行するチョン・テイエイ(東山紀之)は、男役のトァン・シャオロウ(遠藤憲一)に密かに想いを寄せている。しかし、シャオロウは元娼婦のチュー・シェン(木村佳乃)と結婚してしまい……。
映画版も見てないし、中国の歴史に関する知識も、京劇俳優に関する知識もない私には、どーしてテイエイがシャオロウにあそこまで固執してるかが分からなくて、劇中、舞台がハネた後の楽屋でじゃれあっているテイエイとシャオロウにドン引き・・・い、いや、ひーさまも遠藤さんも好きだけど好きだから・・・(ぶるぶる)。
なので、「これはそういう設定」「デフォルト設定」と自分に言い聞かせて納得させました。
でも、西岡恕y馬とひーさまのムニャムニャなシーンはちょっと・・・薄カーテン越しでもぞわわ〜っとなっちゃいました。いや、舞台セットとかシーンとしては幻想的で良かったんだとおもう、うん。でも・・・でも・・・(ちょっと涙目)
あと、女言葉でチュー・シェンを攻めるひー様もちょっと怖かった。
京劇の女役の俳優さんは普段から女でいないといけないんでしょうか? 自分が育った養成所から自分を頼って来た青年に向かって「お母さんと呼んで」と言った時に、「お父さんじゃないんですカー!?」と心の中で叫んじゃいましたよ。
なので、そーゆー分からない設定の辺りであまり芝居にのめりこめなかったのですが*1、文化革命勃発後迫害される辺りからぐいーんとのめりこめました。
脚本が良いのか演出が良いのか、まぁ、両方だと思うんだけど*2、もうね、中国兵士にむかついてむかついて。
どうも、迫害される、というシチュエーションにむちゃくちゃ弱いらしいです、私。
確かに、自分が命を掛けて前線で戦っている時に、ちゃらちゃら芝居してるかと思うと腹立つかもしれないけど、でも、そーゆーお仕事なんだし。この人達にだって苦労はあるんだし。やっぱり迫害はいけないよ、迫害は。相手の立場もちゃんと思いやってあげようよ。
なんて事を涙ぐみながら思ってしまいました。
比較的軽く描かれているだろう舞台でこうなんだから、映画版見たらどうなっちゃうんだ、私w
と、マイナスなことばっかり書いてますが、見終わってからの感想は、「面白かった」でした。
結果的に二人を裏切ることになったシャオロウも悪くないし、彼らに裏切りを強要した兵士達だって一方的に悪いわけじゃない*3。時代とか巡り会わせとか、そんなのが合わさってのあの結果。切ねぇなぁ・・・(落涙)
ひたむきに京劇の俳優として己を高めているテイエイという役と、エンターティナーとして日頃から己を律しているひーさまのストイックさがかなりシンクロしていて、なんかテイエイという人に見えてくるんですよね。まぁ、たまに女言葉なのが怖いんですがw
他の俳優さんたちも良かったし・・・あぁ、唯一残念だったのが遠藤さんの歌(笑)。でも、ひーさまと並んだバランスとかは良かったので、この配役がベストだよなぁ、と思いました。演技とかはパーフェクトだしね。やっぱカッコいいよなぁ、遠藤さんは。
見る前までは、ひーさまの歌と踊りがあればいいや、と失礼な事を思っていたのですが、舞台的にも面白かったです。
んで、やっぱりひーさまの踊りはいいね。
ただあまりにシャープにキレイすぎて女役に見えないんだけど・・・京劇の女役はあんな感じなのかしらね?
自分の知識の無さを思い知った舞台ですが、
知らないからこそ楽しめたのかな〜、とも思いました。