「無理矢理」見ました
劇団本谷有希子の「無理矢理」を見ました。
以前からチラシで気になっていた劇団で(そのネーミングもw)、今回は大好きな高田聖子さんを迎えての公演、ということで吉祥寺シアターまで見に行ってきました。
赤黒く塗られた木材を使った室内風セット。
一見普通なんだけど、よく見ると妙に戸棚が多いし、階段も多い。掛かってる肖像画は斜めってる。
・・・・・・なんだこりゃ?
と思いつつペーパーを見たら、ウィンチェスター夫人とか書いてある。なるほど。
とび職出身でいつも脚立を片手に屋敷内を改築し続けている脚立夫人*1が高田聖子さんの役柄。
ミステリアスな印象と物憂げな雰囲気*2はさすがで見惚れてしまいましたが・・・あんまり喋らなかったのが*3残念でした・・・。あんまり喋らなかった、というよりは長文を喋らなかった、というのが正しいかな。まぁ、見てるものをコケさせてくれる会話がちょこちょこっとあってそれは嬉しかったですが。
テーマは「卑怯」
奇妙な住民達が住む奇妙な屋敷にある一家が越してきたところから話は始まる。
脚立に座り家を改築している夫人に興味を持った夫が彼女の手伝いを始めることで、今までの停滞していた様々な事が動き出し・・・。
色々な謎が出てくるのですよ。
夫人の旦那さんは実在するのか、とか。この少年は生きているのか、とか。
一部解明するものもあるのですが、結局分からないまま終わるものも多く、それが解明されるのを楽しみにしていたので、ちょっと肩透かし。
途中から、真実が逆転するような展開にもなったのですが、結局それもどっちなのか分からないまま終了。
勿論、すべてを解明させる必要はないし、そういうのもありだとも思っているのですが、見た後でモヤモヤ感が・・・。
テーマはすごく分かったし、実感もしたのですが*4・・・なんだろう。やっぱり・・・もやもや感が・・・(苦笑)。
全体的に漂う退廃的な雰囲気とかBGMとかは好きだったけど、多分求めるベクトルが違うんだろうな〜。読んでるのは三島由紀夫賞ノミネート作品*5なんだけど、私が求めてるのは電撃文庫、もしくはビーンズ文庫、みたいな(笑)。