「小鹿物語」見ました

t_makoto2006-08-23

 
 WOWOW presents「小鹿物語」見ました。
 
 この舞台、チケット買った時に分かっているのは、明石家さんま生瀬勝久出演、ってだけだったんですよね〜。
 まぁ、二人とも好きだからいいか〜。ってチケットを買って、その後、真矢みきさんも出るって分かっただけで、他に誰が出るのか? どんな内容なのかさっぱり分からないまま当日へ。
 んで、劇場付いて初めてちゃんとしたポスターを見て、「・・・・シェークスピア時代モノ?」って思っていたら、
 
 太平洋戦争時代の喜劇役者の話でしたw
 
 大阪で喜劇一座を率いる奈良野小鹿さんが主役の・・・プチ戦争モノ、なのかな?
 すべてが「お国の為に、戦争に勝つために」の時代の、喜劇役者の生き様。
 っつーと、なんかかっこよく読めるけど、この男がまたろくでもないんだ(笑)
 新人劇団員騙して強盗役やらしてまで女房の店から金ちょろまかすわ、あちこちの女に手出しまくったあげく劇団員にまで手出すわ、女房かたに入れてまで博打して女房取られそうになるわ、借金返済に充てろってもらった金まで博打でするわ、ほんと、「ろくでもねー」喜劇役者テンプレでした。何でも芸の肥やしで通すような。
 それをさんまさんが自然体で演じていて、ほんっとはまり役だなぁ、と(笑)。
 さんまさん、良かったですよ〜。
 途中で「女優と結婚した男の人の話」をするのですが、それがほんっとに大爆笑ネタの連続で。あれってアドリブなのかな。結構長い間話してるから台詞なんだろうけど、でもそうは思えない真に迫った演技(笑)。さすがっす。
 でも笑いだけじゃなくて、泣かせの演技も良かったです。
 クライマックス、さんま、生瀬、真矢の三つ巴のシーン。すごく良かったです。痛いくらいの緊迫感の中で、役者として負けてなかったさんまさんがすごくかっこ良かった〜。泣かされました。本当にかっこよかったっす。
 
 でも、やっぱり生瀬さんの存在感がすごかったな〜。
 ダーク生瀬(笑)から入って、最後は見事に泣かされました。やっぱりいいですよ、この人。さんまさんとの掛け合いの間も見事だし、やっぱり関西人って生まれながらにしてお笑いスキルを持ってるんだなぁ、と。いや、この人バラエティもいけると思うので、生まれながらのスキルだけじゃないと思いますが。
 生・生瀬。やっぱりいいです。
 
 ヒロインの真矢さんが可愛らしくて意外でした(←失礼)。
 私にとっての真矢さんって、やっぱり元宝塚男役トップの真矢さんなので、ヒロインって言われてもたくましいかっこいい系なんだろうなぁ、と思っていたら、確かにたくましくてかっこよくもあるんですが、非常に可愛らしい女性を演じてらして、うわ〜〜〜。この人こんなのもできるんだ〜〜〜。ってひじょーにビックリしました。本当に、惚れた男には負けてしまう可愛らしい女性だったのですよ。恥じらい、とか、照れ、とか、ほんっとに可愛らしかった。やっぱり女優さんなんだなぁ。
 
 基本的には奈良野小鹿という男の物語なんですよ。「小鹿物語」だから。
 途中で特高に捕まったり、赤紙が来たりっていう戦争モノのエピソードが入り、「戦争モノテイスト」で終わるのかな? と思ったら大どんでん返しが入って、ちゃんと「小鹿物語」として終わったし。あの衝撃のラストはすごく好きでした。
 時期が時期だから戦争モノって多いじゃないですか。
 沖縄モノとか特攻隊モノとか原爆モノとか、それはそれでとても大事だし、忘れられてはいけないものだとは思うのですが、あまりにそればっかで重いとやっぱり胸焼けするじゃないですか。なので、この芝居でさんまさんが語っていたような「普通の庶民から見た戦争」視点って、些細なんだけど見る者に土壌があればちゃんと胸に染みると思うんですね。事実私は泣いちゃいましたし。
 なので、その些細っぷりがイイナァ、と思っていた私なので、途中で出てきた「靖国問題」と「朝鮮人問題」がすごく唐突に思えてちょっと残念でした。
 両方とも一人がそれについて語る、という形式だったのですが、本当になんかとってつけた感が・・・いや、両方とも大事な問題だと思うんですけど、ただ一人にそれを語らせて終わりってのが・・・だったら出さなくてもいいんじゃない? って気がしました。
 
 さんまさんがメインのこのプロデュース公演、3回目、なのかな?
 前2回見てなかったのが非常に残念に思えるほど面白かったです。さんまさんの演技は、あんまり幅が無いような気もするけどでも役者さんじゃないですからね、あの演技で十分だと思うのですよ。だってカッコいいよ、アレだけで。
 つーわけで、次回も見たいなぁ。と思いました。