新春異文化交流

 今年、一発目の観劇は、なんと「浅草新春歌舞伎」です。
 おー。日本人っぽーい(笑)。
 で、まぁ、ついでに浅草寺にお参りして、仲見世でおかき食べて、とか考えていたのですが・・・正月の浅草なめてました。ごめんなさい。
 銀座線のホームからすでに混んでる。
 改札から出られない。
 雷門まで大行列。
 
 結構余裕を見たはずなのに、劇場着いたのもぎりぎりでした。
 空腹に負けて、入り口で買ったサンドイッチ一口食べたら開演。時間通り。素晴らしい(サンドイッチ食べたかった私には素晴らしくなかったけどw)。
 
 今回の浅草新春歌舞伎、私が見に行ったのは第二部なので、演目は「義経千本桜 渡海屋・大物浦」「身代座禅」*1
 全然予備知識はありませんが、まぁ、何とかなるでしょう。
 と思っていたら・・・・・・・甘かったですw
 
 
 まず「お年玉」とある年始ご挨拶は中村勘太郎さん。
 おー、平助*2だー。と思いつつ見ていると、割とぐでぐでwな挨拶の中で(でも、型の決まった挨拶はさすがに格好よかった)、これから始まる「義経千本桜 渡海屋・大物浦」の内容をちょこっと語ってくれました。
 それによると、主人公は、実は壇ノ浦で死んでいなかった平知盛
 知盛というと、遥か3を思い出してちょっと親しみを感じます。つーわけで、つかみはおっけー(笑)。
 で、お話しに入ってみると・・・
 
 舞台はとある渡海屋さん。
 そこにお役人さんのような人が現れて、船を出せとお店の女の人と揉め始める。
 先約がいるので、とお断りする女の人にお役人らしき人が乱暴し始めた辺りで主人(知盛)が戻ってきてあっさり放り出して落着。
 実は奥にいる先客とは「源義経御一行」らしく、どーやら御主人は彼らのために船を出すらしい。
 
 えーっと・・・ここの主人が知盛って言ってたわけだから、知盛、義経と仲良くなったのか? おお、知ちゃん、丸くなったねぇ(笑)。
 
 で、そんな騒ぎの中でもお店の中でぐっすり寝ていた女の子を奥に行かせたり(この女の子をお客の一人がまたごうとして、足がしびれる、という小ネタあり)、義経一行を見送ったり、と、話は続いていくわけですが、義経が何言ってるかさっぱり分からないよ、ママン!(笑)
 偉い人だから高貴語喋ってるのか?
 ってくらい、さっぱり分からなかったです。
 ここで、「イヤホンガイド」借りるなり、パンフレット買ってくるなりすれば良かったと、かなり後悔。
 まぁ、話の流れから言って今までのお礼を言っているのだと推測*3
 で、義経君御一行が出発してしばらくしてから、御主人が白い派手な衣装で再登場。
 
 おー。なんか派手だ。
 
 と、素直に感動していたのですが、御主人、お役人をあっさり放り出した時の男気溢れる感じと代わって、なんつーか・・・この人も高貴語話してるよ、ぶっちゃけ何言ってるか分からないよ・・・。
 もうこの辺は身体の動きだけ追ってました。あぁ、「イヤ・・(略)」(涙)。
 
 そうこうしている間に、全員白い服着て頭に三角つけてる「幽霊部隊(誠人命名)」が登場。
 さすがに三角つけてれば幽霊だって私にも分かります。
 つーことは・・・おお、御主人(知盛)の白いのも白装束だったのか!
 と、ここに来てやっと理解。
 でも・・・・・あれ? さっき勘太郎さん「知盛が生きていた、というお話」って言わなかった?
 あれ? あれ? あれ?
 と、軽く混乱している間に、「渡海屋」終わり。
 幕が下りました。
 
 幕は下りたのですが、お客さん、誰も立たないと言うことはまだ続きがあるということだと思うので、そのまま席にいました。
 いやー。芝居は結構行っているつもりですが、歌舞伎はほぼ初めてなので勝手がわかりませんなw
 5分もしないうちに幕は開きました。
 多分セット変えとかの時間だったんでしょうね。
 
 で、今度は海がばばんと見える舞台で、上手側に小屋のようなものがあり、そこの女御様連中と高貴っぽい子供の姿が。
 多分、安徳天皇御一行と推測。ってことは、ここ、壇ノ浦かな?
 歴史、勉強しておいて良かったw、と、ほっとするのもつかの間・・・・・・・あれ?
 時事列的に、壇ノ浦、終わってない?
 でも、「知盛が義経を討ってくれます」とか、女御様が安徳天皇(仮)に言っている。
 てことは、これ、芝居の中の過去の風景? あれ? あれ?
 と、再び軽く混乱している間に、知盛さま、あっさり返り討ち。
 ってことは、やっぱりこれ、過去?
 私の中の歴史知識どおりに、女御様御一行、次々と入水を始め、安徳天皇(仮)を抱えていた女御様が「海の底にも都はあります」的なお約束台詞を言って飛び込もうとしてる。
 やっぱり過去なのか、と、納得した辺りで、安徳天皇(仮)+女御様の前に武者が現れ、連れて行かれて、幕が下りました。
 
 えーっと・・・最後の武者の人は、平家側? 源氏側?
 芝居はまだ終わっていないっぽかったですが、さっきの舞台変換幕が5分くらいあったので、慌ててロビーにパンフを買いに走りました*4
 
 んで、驚愕の事実判明(笑)。
 
 渡海屋の主人として生きながらえていた知盛は、今でも義経への復讐を狙っていて、何も知らない義経が偶然自分の店に立ち寄ったのを好機と見て、復讐しようとするんですね。
 んで、彼は義経だけでなく頼朝へも復讐しようと思っていたので、義経を討ったのは知盛の幽霊だと思わせるため、死装束で義経を討とうとした。
 ところ、実はばれていて、あっさり返り討ちにあった、らしい。
 ちなみに幼子踏もうとして足がしびれるという小ネタは幼子=安徳天皇をにおわせる演出だったらしい。
 
 なーるーほーどー。
 
 んじゃさっきのは壇ノ浦プレイバックではなく、舞台内現実の話なのね。
 やっぱり予備知識は大事だわー。歌舞伎見るときはパンフかイヤホンガイド必須と覚えておこう。
 
 この後はパンフのおかげで話の筋は分かりました。
 言ってることは半分くらいしか分からなかったけどねw
 
 結局、安徳天皇典侍の局を捕らえたのは義経の部下で、安徳天皇の行方を捜していたぼろぼろ*5な知盛が義経と再び対峙。なおも義経に切りかかろうとする知盛に安徳天皇が「義経の恩を無駄にするな」とおっしゃり、それを聞いた典侍の局は知盛に安徳天皇を託して自害。知盛も義経一行に安徳天皇を託して碇を身に巻き海に落ちる。
 という、エンディングでした。
 つーか、これから逃げるっていう義経君達に幼子押し付けるなよ(笑)。
 
 知盛の最後は格好よかったですねー。
 舞台上で高くなっているところから、バックでどぼんと飛び降りる。
 結構高いから恐いんじゃないかと思いますが、さすが役者。
 見せ場ですからね。本当に格好良い最後でした。
 
 
「身代座禅」の方は、明治にできたお話らしく、元ネタが狂言なので、非常に分かりやすく楽しく見られました。
 話も分かりやすくて面白かったしね*6
義経千本桜」ではコックリしていたおばさまがたも大笑いしてました(笑)
 
 次に歌舞伎見るときは、開場くらいの時間に余裕を持って行って、イヤホンガイドを借りようね、自分w

*1:午前中の第一部だと「義経千本桜」の演目が「義経千本桜 すし屋」になる

*2:NHK新選組!」より

*3:ちなみにパンフにも台詞の解説までは載っていなかったので義経君が何言っているかは未だ不明w

*4:通路側の席だったので

*5:白い死装束が血で汚れてぼろぼろだった

*6:先にパンフ読んでたしw