「写楽考」見ました

 
 シアターコクーンで「写楽考」見ました。
 堤真一高橋克実長塚圭史キムラ緑子七瀬なつみ、西岡紱馬
 と、こないだの「コンフィダント」に負けず劣らずの素晴らしいキャスト。
 なんつーか・・・・シアターコクーンで見るお芝居、でした。
 まぁ、こーゆーのもあり、かなぁ、と・・・
 しかし、1週間で画家モノ2つ見るってのも、珍しいなぁ。
 
 

 時は江戸・天明の世。地獄絵を志す「あの男」と極楽絵を志す貧乏侍の子・勇助は、 江戸八丁堀の八軒長屋で奇妙な共同生活を送っていた。そこに転がり込んで来た世直しを志す浪人・幾五郎。
 相次ぐ天災や飢饉で世情は不安ながらも、三人はそれぞれの志を胸に、熱き青春時代を送っていた。
 しかし、一人の女の死を境に、三人の人生は大きな運命の渦に巻き込まれていく。
 10年あまりの歳月が過ぎ、寛政の江戸の世では、「喜多川歌麿」が描く浮世絵が一世を風靡していた。
そこに突如、猛烈な勢いで錦絵を発表する正体不明の絵師 「東洲斎写楽」が登場。歌麿をしのぐ注目を集め出した。 
 果たして、謎の絵師・写楽とは一体何者なのか? 写楽がその人生に背負った宿命とは?  
 写楽を取り巻く人々の運命は?

 
 さっき公式サイト見て↑のような話だったと知りました。
 へー。
 私、芝居見る前に情報入れないんですよ。舞台はその舞台だけがすべてでいいじゃん、とゆーのが建前、めんどくさいってのが本音(笑)
 ちなみに私が見て感じたあらすじは、
 
 口だけは達者な画家志望の男が、人妻との恋に溺れた挙句彼女の死にかかわってしまいお尋ね者になり、10年逃げ回った後江戸の戻ってきてずるがしこい商人に利用された挙句に捕まって処刑される話
 
 見も蓋もないですが(笑)
 
 役者さんが皆達者な方だったので、場面場面は引き込まれましたねー。
 特にキムラ緑子さん。まさしく妖艶!って感じで素敵でした。最後に田舎のおばちゃん役でも出てくるんだけど、同じ顔なんだけど、違うの。当たり前なんだけど、やっぱりすごいなー。って感心してました。
 後に喜多川歌麿となる勇助役の長塚圭史さん、あんまり演技が上手いとは思わないんだけど、冷静な役に非常にあっていて・・・やっぱりあの目かなぁ。すっごい冷たい目が良かったですねぇ。
 だからホットな写楽との対比、って感じで行くのかと思ったら、そう簡単な話ではなく、10年後の写楽は人生悟ったしょぼくれ君になっていてw、絵を描くようになっても力強さはなかったですねぇ。なんか、その後はずっと絵を描くだけ台詞あんまりなし。ちょっと寂しい。
 縛り首のシーンで、フライングをするのが面白かったです。非常によく分かる縛り首シーン(笑)。最後に目に歌舞伎の隈取のような線を入れ、歌舞伎の見栄ポーズのような格好をして暗転。カッコいいんだけど・・・最後まで見栄を張っていたっていう演出なのかなぁ? でも、その前しょぼくれ君にしか見えなかったんだけど・・・。
 
 「写楽考」ってタイトルは、写楽について考える、という意味ではなく、写楽が考える、という意味、なのかなぁ。人生についてとか絵についてとか写楽がよく語ってたし。
 ただ、あまり心を打つような台詞はなく、なんとなくふーん、って聞いてました。多分まだこういう芝居見るのは早いんだろうな、自分は。観客の年齢層高かったし。
 役者も良かった、演出も脚本も悪くないと思う。なのに、・・・感が残るのは、やっぱり求めてるものが違うからなんだろうなぁ。もうちょっと年取ったら心に響くんだろうか?
 ・・・・・・B級映画とかが好きな人間じゃ、いつまでたっても無理な気がするw