「狐狸狐狸ばなし」見ました

 
 トムプロジェクトの「狐狸狐狸ばなし」を見ました。
 新聞のチケットプレゼントで当たったんです。今月から新聞を変えたので*1当分は無料で見れることもないかと思うとちょっと残念。読売でも芝居のチケットプレゼントあるといいんだけどなー。
 
 話も面白そうだし、出演者も良かったのでチケット買ってみようかと思ってたんですけど、演出がケラさんで。
 ケラさんの作品苦手だったからパスしてたんですが、無料だったら・・・と思って見にいったら、意外と(失礼)、てか、結構面白かったです。
 舞台の良いスパイスとなっていたサイドストーリーもケラさんによるものだったらしく、私の中の評価が上がりましたw 演出・ケラリーノだったらまた見てみたいかも*2
 
 

 手ぬぐい職人の伊之助(ラサール石井)は、妻・おきわ(篠井英介)に惚れぬき、近所の住職・重善(板尾創路)との不倫にも目をつぶっている。しかし重善に婿入りの話があると知ったおきわは焦り、また、しつこい夫への嫌気もあって、ふぐ中毒に見せかけて伊之助を殺害。計画は成功するが、翌朝、火葬場から伊之助が元気に帰って来て…。

 
 というのが元の脚本。
 ちょっとミステリー好きなら、帰ってきたカラクリとか今後の展開とかは多分すぐ判ると思う、割と素直な脚本なんですが*3、それにケラさんは、妻の浮気を疑って自殺を図った男を先輩が元気付けるために↑の話をする、というサイドストーリーをくっつけて、本編とサイドストーリーを交互に進めるっていう形で話が進みます。
 まぁ、そこまでなら割と普通なんだけど、最後、本編とサイドストーリーを交錯させていて、それがすごく良かったです。
 最後に、自殺を図った男に、「ほら、あれが浮気した妻の成れの果てですよ」って見せるんですよ。
 「浮気した妻の成れの果て」の真実は、簡単に予想できるんだけど、それをサイドストーリーの男に見せる、っていのが、良かった。すごく良かった。
 ケラモノって、見た後に割ともやもやが残るモノが多いんだけど*4、これは痛快でしたね〜。
 うん。良かった。
 
 良かった、といえば、配役も良かったです。
 おきわが男性なので、生々しくならないで、あっさり見られました。
 男と女の情念どろどろ・・っていうの、苦手なんですよ。見ててなんか居心地が悪くなっちゃうから。
 生々しくならない、とはいえ、そこは篠井さんですから、嫉妬深い女を時にしつこく、時に可愛く演じられてました。この方の女形は本当にいいですねw
 板尾さんも、よかったな〜。
 この方のすっとぼけた感じが好きだったのですが、良い味出してました。
 同じくすっとぼけた感じが好きな六角精児さん*5とのすっとぼけ合戦のシーンは非常に好きでした。どうも、力が入らない、どころか、脱力している演技をする人に弱いですw。
 ラサールさんもよかったですねぇ。
 途中で自分を騙すために村娘の芝居をしていた男に演技指導をする、というシーンがあったのですが、そこでのツッコミが最高でした。さすが本職w でも最近この人の本職ってなんだかよくわかんないですけどねw
 
 こういうどんでん返しがある芝居、好きだなぁ。
 

*1:朝日と読売半年交代という契約だったのです

*2:そーいや、ケラリーノ演出の「噂の男」も面白かったな

*3:といってもそれだけでも面白い芝居だと思います

*4:私は、ね。

*5:テレビ朝日ドラマ「相棒」で鑑識役の人