「国民の映画」見ました
三谷幸喜大感謝祭*12本目、「国民の映画」見ました。
こないだの「ろくでなし啄木」もそうでしたが、これもコメディじゃなかったです。
笑えるシーンはあったけどね。
でも面白かったです。
可笑しい面白いではなく、奥行きのある面白い。
見終わった後、「面白かったね〜!」と、盛り上がりはしないんだけど*2、……良かったなぁ。と、しみじみしてしまう感じ*3。
上演時間3時間(内15分休憩)って、普通は休憩挟んだ前と後ろは大体同じくらいの時間だと思うんだけど、これは60分・15分休憩・105分。なんだそのアンバランスは? って思っていたら、1幕は登場人物紹介兼背景説明でしたw
『1940年代のドイツ・ベルリンを舞台に宣伝大臣ゲッペルスと映画人たちとの間で繰り広げられる人間ドラマ』
だからかな。
確かに、芝居見ながら昔習った世界史を頭ぐるぐるさせながら思い出してました。つっても、名前位しか思い出せなかったけどさw
ゲッペルスがホームパーティにドイツ映画界のスター+有名作家を集めた、ってのが1幕でした。
その辺は、まぁ、普通の芝居で、小日向・段田・白井の掛け合いが見事だったり、シルビア・グラブと新妻聖子の歌が迫力満点だったり、それなりに見所はあったけど、このメンバーならこれぐらいは、ってものだったけど、前半からちょこちょこ臭わされていたある秘密がオープンになった途端、事態は緊迫すごく面白くなりました。
小林隆さん、すごく良かった。
前半から執事役がすごくハマって素敵だったんだけど、後半、秘密がオープンになってからがすごく良くて。穏やかな存在感、とでもいうのかなぁ。ぴったりでした。
今まで、ホロコーストとかアンネの日記*4とか、知識はあったんだけど、「地球上から生物学的に奴らを排除する」的な台詞*5に衝撃を受けました。
抹殺じゃなく、排除。
しかも身近にいるのに。
いるのに、新たな処分方法を確立して、この方法なら一度に○千人の処分が可能です、とか言ってる。
それまで映画がどーの、芸術がどーの、とかいって歌とか歌ってた人が真顔で言うから怖い。
お芝居なんですけどね。
でも、実際にこれやった人がいるんだもんね。怖いよね。
で、これを踏まえてのラストシーンが、また良かったです。
んで、人間ってこんなもんなのかなぁ、とか思った。切り替えが早い、とかじゃなく、無意識に切り替えてるんだろうなぁ、と。
良いお芝居でした。